2023年12月句会 投稿作品、選句、選句感想、選者、(作者)
- 穏やかに児と語らえる柚子湯かな
特選【丑郎選】
作者の実感が伝わります。
特選【法被衣選】
柚子湯の由来などを語り聞かせながら柚子湯でほっこり。
並選【歌子選】
こちらまでほっこりいい気持ちになるような入浴風景。ゆずのリラックス効果が相まって心許しあった優しい会話のやり取りが聞こえてくるようです。
- おでん鍋どれから喰おう大家族
並選【あらまち一駒】
あっという間に喰われるおでんが良いね
3.カピバラの柚子鼻で突く湯あみかな
- キャロリング歌い祈るやクリスマス
並選【丑郎選】
毎年ご近所の教会からも聞こえてきます。
- コンビニでおでん目移り頂戴な
6.銀座裏の笑める女将のおでんかな
並選【あらまち一駒選)
おでんも特別笑顔で美味いでしょうね
7.隙間風築百年といふ母屋
並選【歌子選】
さすがに築百年ともなると隙間風も吹き抜けるでしょう、隙間風の穴さえ、現代建築にはない趣を感じます。
並選【祥雲選】
現実感のある句で、古びてあちこちから隙間風が吹き込むか。
並選【法被衣選】
昔の家は寒いです。囲炉裏や火鉢、炬燵でよく生活していたと思います。
8.月あかりイブ礼拝の帰り道
並選【歌子選】
教会生活が中心だったころは、地域を巻き込んだクリスマスイベント(キャロリングやらクリスマス劇の発表会やら音楽あり、会食パーテーの準備など、裏方も表方も何役もこなして走り回り、クリスマスが一番忙しい行事でした。心静かに礼拝だけするイブを過ごしたいものだといつも思ったものですが、そのころ思い描いたイブの礼拝後の静けさが胸にしみじみ迫り時間の流れを感じます
並選【祥雲選】
敬虔な感情に浸りながら、月明かりの道を帰ってゆく様子が活写されている。
9.広場の木風に吹かれて裸木に
10.今日柚子湯柚子の産地は馬路村
11.今年こそ断捨離するぞ大掃除
12.死と生の兆しを秘める裸の木
並選【あらまち一駒選】
死んでいく人は最後裸ん坊にされて清拭
13.煮加減の箸穴三つ大根煮る
特選【歌子選】
煮え具合はどうかなと箸をさしては確かめるところに現実味のあるあるを感じ
クスって笑いたくなりました。
並選【祥雲選】
「箸穴三つ」がリアルで、美味しく煮ようとする工夫が見えて良い。
14 大根が砲弾に見ゆ哀しさよ
特選【あらまち一駒選】
イスラエル、ウクライナ戦下の砲弾、私も大根に見える。哀しい。
15 大根や風と光に旨さ増す
並選【丑郎選】
我が家の風物詩です。
16 竹輪麩で夫婦やりあふおでんかな
17.日の匂いいっぱい吸いし干大根
並選【丑郎選】
大婆さんからの伝統が我が家に伝わります。
並選【法被衣選】
スーパーや道の駅で干し大根を見かけます。
18 父を待つ母と大根を干しながら
19 訪う人もラインもなしや大根煮る
並選【法被衣選】
年の瀬の喧騒から忘れられたような時間、
寂しいけれどなぜかほっとする瞬間でもあるのやも。
20.迷うたらこれにしゃしゃんせ味噌おでん
特選【祥雲選】
親しい、ベテランの人からの助言が嬉しく、「しゃしゃんせ」の会話調の中句が良い。
21 有休をゆったり旅籠で柚子湯かな
22 柚子湯出て体重計に妻が乗る
23 "裸木の城跡登る観音寺
24 裸木や夏の木陰をありがとう
25 裸木や断捨離着々進みおり